コンバージョン率の向上(後編)

2017年10月31日Z LOG, 井上研一先生コラム

コンバージョン率の向上(前編)では、コンバージョンとは何かということを

KGIとKPIについて触れながら簡単にお話しました。

後編ではランディングページやCTA(Call To Action)などについて詳しく話していきます

 

●ランディングページ

次に、ランディングページについても説明しておきましょう。ランディング(landing)とは日本語では着陸という意味で、広告や検索エンジンで表示されたリンクをクリックして表示されるページのことを指します。そういう意味では、サイトのトップページや、ブログの各記事などもランディングページに当てはまるのですが、一般的には1ページで購入や問い合わせなどに至る長いページのことといった方が良いかもしれません。

 

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ランディングページに適したテーマの例。まだまだ下に続いていく。
(https://blackrockdigital.github.io/startbootstrap-landing-page/)

 

1ページで購入などのコンバージョンに至るランディングページは、「鉄は熱いうちに打て」ということわざのとおりで、何らかの欲求から検索エンジンを検索し、訪問した訪問者を一気に購入まで至らせる(欲求を満たさせる)ことができるため、離脱を少なくし、コンバージョン率を上げる効果があると考えられています。

 

WordPressでも多くのテーマでランディングページを作る機能を備えているほか、ランディングページ専用のテーマなども配布されているので、比較的簡単に作ることができます。長いページを下まで読み進ませ、購入に至るプレゼンテーションが必要となるため、WordPressやテーマそのものよりも、目を引くグラフィックや文章をつくる能力の方が問われているといえます。

 

●CTA

次はCTAです。CTAはCall To Actionの略で、訪問者に取って欲しい行動を喚起するものです。例えば、購入や問い合わせ画面に至るボタンやリンクがそれにあたります。最近は、FacebookページでもCTAを設けることができるようになっています。

 

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先ほどのランディングページ用テーマの画面下部にあるCTA。
ここでは、SNSへの共有などを喚起している。

 

CTAは行動を喚起するためのものなので、まずボタンやリンクがきちんと目立つ必要があり、クリックすることで何が起きるのかが分かる必要があります。また、ランディングページなどの全体の流れの中で適した場所に配置する必要もあるでしょう。

 

ところで、CTAはランディングページだけに存在するものではありません。ブログの記事ページなどにおいても、SNSへの共有ボタンや、RSSフィード、メルマガの購読、問い合わせなど、記事を多くの人の目に触れるようにしたり、一見の訪問者を定期的に訪問してくれるファンになってもらうといったことも、取って欲しい行動といえますから、それを喚起するCTAが必要となるわけです。

 

●Google AnalyticsにおけるCTAの捕捉

繰り返しになりますが、CTAは訪問者に取って欲しい行動を喚起するものです。ということは、CTAのクリックはKGIやKPIの項目になり得るものです。これもGoogle Analyticsを用いて捕捉することができます。多くのサイトではGoogle Analyticsのタグを貼ってアクセス解析を行っているでしょう。しかし、CTAの分析までを行っているサイトは実はあまり多くないかもしれません。

 

Google Analyticsでは、イベントという機能を用いてCTAのクリックを捕捉します。例えば、CTAのリンクに下記のJavaScriptを追加するとイベントを使うことができるようになります。(あらかじめGoogle Analyticsのタグを貼る必要があります。)

 

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アクション以降は任意なので、最低限の指定では下記のようになります。

 

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このような設定をすれば、リンクがクリックされるごとにイベントが送信され、Google Analyticsのレポートでイベントが解析できるようになります。

 

WordPressのプラグインでWP Google Analytics Eventsというものがあり、これを使うとHTMLのclassやidを指定して、それにGoogle Analyticsのイベント用のJavaScriptをセットしてくれます。

 

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また、Google Analyticsのコンバージョン機能を使えば、イベントを用いた目標を設定し、管理することができるようになります。(上記の問い合わせページへのリンク程度であれば、イベントを使わなくてもページの表示回数を目標として設定することができます。但し、どのCTAをクリックして問い合わせページに到達したかなどを詳しく解析するにはイベントを使った方が良いでしょう。)

 

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●まとめ

今回はコンバージョンにまつわる様々なことについて、説明してきました。せっかく作ったWordPressサイトの目的は、ただ多くの人に見てもらうというだけではないと思います。目的をきちんとKGIとして設定し、それを実現するための方法を考え、KPIとして捕捉していくことで、実現の可能性を高めていきましょう。

inoue井上研一(いのうえ けんいち)

東京都中野区に住むITコーディネータ、ITエンジニア。
1979年福岡県北九州市生まれ。

1996年頃よりWebサイトの構築、アプリ開発を開始し、多くの雑誌が掲載。国内中堅SI会社やコンサルティング会社等を経て、2013年にアルティザンエッジ合同会社を立ち上げ代表社員・CEOに就任。 技術そのものよりも、技術が社会にもたらす影響に興味を持ち、ITとビジネスが交わるところで活動中。クライアント企業のプロジェクトに参画するほか、イベント登壇や執筆活動にも積極的に取り組み、ブログにもいろいろ書き連ねています。
2013年より超初心者専門ITスクール「TECH GARDEN SCHOOL」で講師を務めるほか、最近はこどもたちにプログラミングを教える活動も始めました。 2016年10月に書籍「初めてのWatson APIの用例と実践プログラミング」をリックテレコムより刊行!

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