SEO対策の定番 All in One SEO Pack(前編)

2017年10月10日Z LOG, 井上研一先生コラム

前回はいつもと違って人工知能とWordPressというテーマを取り上げました。この連載に関わっていただいている方々の間では好評だったということで、何よりですが、皆さんはいかがだったでしょうか。

 

今回は通常運転に戻ってSEOについて取り上げてみようと思います。まず、SEOとは何かを簡単に触れてから、代表的なプラグインであるAll in One SEOの使い方を説明することにしましょう。

 

●SEOとは何か

SEOとはSearch Engine Optimized(検索エンジン最適化)の略で、GoogleやBingといった検索エンジンでの自分のサイトの表示順位を上げて、閲覧者を増やそうとするものです。ただ、最近は表示順位を上げることだけを目的とせず、コンバージョン(購入や予約、問い合わせといったサイト公開の目的となる行為)や最終的な顧客体験(購買などの欲求から、サイトの検索、購入、購入したモノの利用といった一連の体験)全体をデザインするような考え方への変化も見られます。

 

この記事ではまず表示順位について考えてみようと思いますが、どこかにお金を払えばすぐに表示順位が上がるというようなものではありません(それを実現するのは広告です)。順位を決めるのは検索エンジンを提供するGoogleやMicrosoft(Bing)が設ける基準次第で、SEO対策によって魔法のように操作できるものではないからです。

 

検索エンジンごとの基準を分析し、「こうすれば表示順位が上がるだろう」という方法を検討して手を打つ。そして、その結果を見て、さらなる改善を行う。そうした、PDCAサイクル(Plan「分析・企画」→Do「対策の実施」→Check「対策結果の確認と分析」→Action「さらなる対策の実施」)を回して、徐々に表示順位を上げていくというのが、SEO対策の基本です。

 

●まずはサイトの質を向上させる

検索エンジンごとの表示順位の基準はどうすれば分かるのでしょうか。Web上にはSEO対策に関する情報が溢れているので、そこから知るということもできるでしょう。しかし、そうした基準は検索エンジン側の都合でいかようにでも変えることができますから古い情報も多いでしょうし、そもそも真偽が怪しい情報もあるかもしれません。

 

ここで見方を少し変えてみましょう。検索エンジンはなぜ存在するのか、そして検索エンジンはどういう情報を優先的に表示したいのか。つまり、サイトの運営者の立場ではなく、検索エンジン側の立場で考えるのです。おそらく、その答えは「より有用な情報を見つけ出して欲しい」ということでしょう。

 

だとすれば、いたずらにSEO対策に頭を悩ますより、まずは自分のサイトを有用なものにすることが先決です。閲覧者にとって有用でないサイトは、いくらSEO対策にお金と時間を費やしても表示順位が上がることはありません。まずは、サイトを充実させ、閲覧者にとって有用なものとした上で、それを的確に検索エンジンに理解してもらう。それが真のSEO対策といえるでしょう。

 

●閲覧者の立場に立つ

先ほど検索エンジン側の立場で「より有用な情報を見つけ出して欲しい」ということを書きました。それでは、その「より有用な」とは、誰にとっての有用でしょうか。それは、検索エンジンのユーザーです。自分のサイトの閲覧者になってもらえるかもしれない人ということになります。

 

では、検索エンジンはユーザーのニーズをどうやって理解するのでしょうか。それは検索キーワードです。ユーザーは検索エンジンに対して、検索キーワードを入力して検索させます。これ以外に検索エンジンはユーザーが持つニーズを知ることはできません。

 

ということは、ユーザーはどのような検索キーワードを使って検索するのかが重要です。ユーザーが例えばGoogleでどのような検索キーワードを入力したら、自分のサイトが1番目に表示されるのか。それをイメージする必要があります。

 

ここまでをまとめると、SEO対策は広義には次のようなステップで進めることになります。

 

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このうち、最後の「検索エンジンに伝える」ところが狭義のSEO対策ということになるでしょう。

 

●Googleキーワードプランナーを使う

閲覧者がどのようなキーワードで検索しているかを考える際、サイトを運営している自分自身で考えてしまうと先入観が入る難点があります。そこで、Googleキーワードプランナーなどを使い、データに基づく分析を行った方が良いでしょう。(キーワードプランナーはGoogle AdWordsに関連するツールで、広告出稿をしていないと詳細な結果を見ることができません。しかし、大まかな傾向は見ることができるので、広告出稿していなくても参考にはなります。キーワードプランナーの使い方はネット上にいろいろ情報が出ていますので、そちらを参照ください。)

 

例えば私が中野(東京都中野区)で居酒屋を経営しているとして「中野 居酒屋」を調べてみると、下図のような結果が表示されました。

 

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「中野 居酒屋」というキーワードでの検索は月間1,000〜1万回あるようです(広告出稿していないと、このように数字の幅が大きくなってしまいます)。一方、「中野 飲み屋」でも同程度は検索されているようなので、「飲み屋」もキーワードとして考えておくべきでしょう。さらに「中野 ランチ」となると検索ボリュームは10倍あるようなので、ランチ営業もやっているのなら「ランチ」もキーワードにするべきだと分かります。

 

後編はSEO対策プラグインの定番All in One SEO Packについて詳しく話していきます。 

inoue井上研一(いのうえ けんいち)

東京都中野区に住むITコーディネータ、ITエンジニア。
1979年福岡県北九州市生まれ。

1996年頃よりWebサイトの構築、アプリ開発を開始し、多くの雑誌が掲載。国内中堅SI会社やコンサルティング会社等を経て、2013年にアルティザンエッジ合同会社を立ち上げ代表社員・CEOに就任。 技術そのものよりも、技術が社会にもたらす影響に興味を持ち、ITとビジネスが交わるところで活動中。クライアント企業のプロジェクトに参画するほか、イベント登壇や執筆活動にも積極的に取り組み、ブログにもいろいろ書き連ねています。
2013年より超初心者専門ITスクール「TECH GARDEN SCHOOL」で講師を務めるほか、最近はこどもたちにプログラミングを教える活動も始めました。 2016年10月に書籍「初めてのWatson APIの用例と実践プログラミング」をリックテレコムより刊行!

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