WordPress公式プラグインJetpack活用法（2）（前編） ではJetpackのWriting（執筆）／Sharing（共有）の2つの機能について話しました。後編では残る3つの機能についての説明をします。
●Discussion
Discussionグループに含まれる機能は下記の2つだけです。
・SNSアカウントを用いてコメントを投稿できるようにする
・メールでの購読
SNSアカウントを用いたコメントの投稿は私のサイトでも有効化しているのですが、ブログ記事などにコメントする際、メールアドレスや名前を入力する代わりにFacebookやTwitterのアカウントを使用できるというものです。ただ、例えばFacebookアカウントでログインして、ここにコメントを書いても、そのコメントがFacebookで共有されるわけではありません。
メールでの購読は、上図のコメントフォームに「新しいコメントがついたらメールで通知」、「新しい投稿をメールで受け取る」というチェックボックスの機能です。
●Traffic
Trafficグループには、前回の記事で紹介したアクセス統計を含む、主にSEO関連の機能が集められています。
・アクセス統計
・WordPress.comの広告プログラムによる広告の掲載
・関連投稿
・SEOツール
・Googleアナリティクスとの統合 ・XMLサイトマップの作成
・GoogleやBingなどのサイト認証
このうち、広告の掲載、SEOツール、Googleアナリティクスとの統合は、有料プラン専用の機能です。
SEO関連の機能は「All in One SEO」など定番のプラグインもありますし、関連投稿の表示はテーマ側で対応しているものが多いと思いますので、あまりJetpackの機能は使わなくて良いのかもしれません。（私が使っているのは、Googleアナリティクスと併用しているアクセス統計だけです。）
●Security
最後にSecurityに集められている機能を見てみましょう。こちらは有料プラン専用の機能が多めです。
・バックアップとセキュリティスキャン（VaultPress）
・スパム対策（Akismet）
・怪しいログイン操作のブロック
・WordPress.comアカウントを用いたログイン
このうち、バックアップとセキュリティスキャン、前回の記事で紹介したスパム対策のAkismetが有料です。
「バックアップとセキュリティスキャン」を有効にすると、WordPressのダッシュボードにVaultPressというメニューが現れます。
ただ、有料プランの中で最も安価なパーソナルプラン（年額5,250円）ではバックアップだけが有効になります。セキュリティスキャン（マルウエアスキャン）を使用するには、さらに上位のプランを契約する必要があります。
「怪しいログイン操作のブロック」は必ず有効にしておいた方が良いでしょう。私のサイトでも既に2万7千回以上も悪意あるログイン試行がブロックされているのです。ちなみに、テスト用に1週間ほど前に立ち上げたWordPressサイトでも、記事なんて何も書いていないのに29回も悪意あるログイン試行があって、Jetpackによってブロックされているのです。
●まとめ
ということで、2回に渡ってWordPressの公式プラグインであるJetpackを紹介してきました。無料で使える機能も多いので、まずは一度試してみることをお勧めします。
次回は、JetpackのSNS連携機能も活用しつつ、SNSからの集客について考えてみたいと思います。
井上研一（いのうえ けんいち）
1979年福岡県北九州市生まれ。
1996年頃よりWebサイトの構築、アプリ開発を開始し、多くの雑誌が掲載。国内中堅SI会社やコンサルティング会社等を経て、2013年にアルティザンエッジ合同会社を立ち上げ代表社員・CEOに就任。 技術そのものよりも、技術が社会にもたらす影響に興味を持ち、ITとビジネスが交わるところで活動中。クライアント企業のプロジェクトに参画するほか、イベント登壇や執筆活動にも積極的に取り組み、ブログにもいろいろ書き連ねています。
2013年より超初心者専門ITスクール「TECH GARDEN SCHOOL」で講師を務めるほか、最近はこどもたちにプログラミングを教える活動も始めました。 2016年10月に書籍「初めてのWatson APIの用例と実践プログラミング」をリックテレコムより刊行！