フリーソフトウェアという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
フリーと聞くと「無料」と想像する方が多いかもしれませんが、WordPressを含めたソフトウェアのフリーソフトウェアとは、自由なソフトウェアという意味になります。WordPressのライセンスはGPLですが、このGPLには大きく分けて4つの自由が担保されています。
1.いかなる目的に対しても、プログラムを実行する自由
2.プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて改造する自由
3.身近な人を助けられるよう、コピーを再配布する自由
4.改変した版を他に配布する自由
プログラム利用者が利用したい目的に対して、開発者、配布者がそれに対してなんらかの制限を与えることは出来ません。
1.いかなる目的に対しても、プログラムを実行する自由
GPLが適用されているプログラムは、どのようなサイトやアプリケーションで使われるかということを制限することは出来ません。例えば自分が開発したテーマがアダルトサイトや公序良俗に反したようなサイトであったとしても、利用の停止を求めることは出来ません。また、自分のテーマをアダルトサイトなどで使用しないように、ということを公共の場に記述することも禁止されています。
2.プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて改造する自由
ソースファイルを研究することを妨げることを行ってはいけません。よく議論されるのがソースファイルの圧縮についてですが、圧縮されたcssファイルやJavaScriptファイルは読み込みが軽量化される反面で難読化されてしまいます。軽量化するために圧縮したことでも、人によっては、難読化されてしまって研究の妨げになるという話になるのですが、難読することが目的でないケースが多いので。話し合いで解決出来ることがほとんどです。
しかし、ソースコードによるコミュニケーションの場合、制作者の意図までは中々汲み取ることが難しいので、ソースコードを公開する場合は圧縮したファイルと、元となる非圧縮のファイルを備え付けたり、そもそも圧縮をしないといったやり方を考慮することも考えたほうが良いかもしれません。ただ、見たいと思った場合も、ソースコードの難読化を解くツールなどもあるので、それらを利用することも考えてみましょう。いがみ合いより、歩み合いを持ちたいですよね。
3.身近な人を助けられるよう、コピーを再配布する自由
コピーの再配布が自由でなければ、ファイルを持たない人に対してオリジナルの在り処を知らせないかぎり、困っている人を助けることは出来ません。作られたものには著作権が発生します。そこには当然複製することも著作者の許可無く行うことは出来ません。GPLのあたえる自由の中にこれが含まれているので、誰でも困っている人を助けられるようになるのです。
4.改変した版を他に配布する自由
例えばあなたが、とても便利そうなテーマを見つけたとします。しかし、そのテーマは開発がもう2年止まっており、現在のWordPressのバージョンでの動作の確認がされていません。試しに自分の所持しているWordPressにインストールしてみたところ、一部のバグを取り除けば今のバージョンでも動くことが判明しました。この時、「身近な人を助けられるよう、コピーを再配布する自由」があれば、自分でこのバグを修正し、ソースコードを公開することで、自分以外の人もこのテーマをダウンロードして自由に使えるようになります。ですが、この自由が保証されていなければ、著作権があるかぎりこの行動を取ることは出来ず、このテーマの開発者に対してバグ報告をするぐらいしか術はありません。
WordPressをつかってブログを作りたい!自身のサイトを作りたい!といった場合、どのテーマを使うのも、どのプラグインを使うのも、どんな目的でも手段でも自由に使うことが出来ます。その一方で、開発する側は自身の著作物の権利に対してこれだけの制限を受けるライセンスを選ばないといけないので逆に不自由さを感じます。
自由とは立場によって大きく変わってきますが、ユーザーがほとんど何も考えること無く自由に使えるのがWordPressの特徴です。ですので、やりたいことを実現するのに使いやすいWordPressは是非おすすめです!
引き続きZ.com for WordPressおよびZ.comの各サービスをよろしくお願い申し上げます。